チューリップ
「聞き分けのない子だね。またお仕置きが必要なの。」
私が黙っていると、木津先生が気持ち悪い声を絶えさせることはなかった。
「これで何回目だと思ってるの?
お前の人生の選択権は今僕にあるんだよ?
お前は、俺だけを見てればいいんだよ。」
「……っ…。」
不吉な笑顔を浮かべたままなでるように私の頬に手を滑らせた。
吐き気がする…
「お前はもう
俺のオモチャなんだよ。」
私の体に向かう汚い手に反応して思いっきり目をつぶる。
「はいー。素敵な決めゼリフをどうもありがとう。」
大きな段ボールから出てきたリュウを見て、木津先生は勢いよく私から離れた。
リュウは顔を青白くさせてる木津先生を見ることなく私に向かってきた。
「ごめん梨華、きつかったろ?」
私を心配するリュウに微笑んで首を振った。
「あ、今の会話、録音させてもらったんで。
最高でしたよ?
あんたの変態ぶり。
俺の梨華に手出してただで済むとでも思ってたのか?
お前みたいな奴なんかに
俺たちの幸せは壊させない。」
私に幸せをくれるのは、
いつもリュウなんだ。