チューリップ




私とリュウたちが一緒にいるところを見せてあえて反感を買わせ


私が1人で職員室へ行き、暴行を加えさせる絶好の機会を作り


すべてを録音する。




それが私たちが考えた

形勢逆転計画だった。





茉莉や陽介君は私の身を心配してくれたけど

私は皆を傷つけたんだから、少し危険であっても恐怖はなかった。



なにより、リュウが私を守るって言ってくれたから…。





「梨華のことなんか知ったらしいですけど、どうするつもりなんですか?



そっちの出方によっては


こっちも動きますけど?」





木津先生はただ呆然とリュウを見ている。



しだいに視線は床へと落ちていった。





「……い…いやだ…!

お願いだ!!俺の人生を壊さないでくれっ…!!」



木津先生は震える声で必死にリュウを見つめた。



その姿は醜くもあるけど



少しだけ


自分を見ているような気になった。
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