チューリップ




「リュウ、それ貸して?」



私はリュウの手にあるケータイを指す。


そして受け取ったケータイのボタンを押した。




「これ、消しておきます。


私のせいで…

すみませんでした。」




木津先生にそう告げると、2人とも目を見開いた。


木津先生はその目に涙さえ浮かんでいた。







「あなたの幸せを願ってます。」






光の無い教室で、
私は願った。






それぞれがいつか幸せをつかめるように






光のある未来を


手に入れられるように…





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