チューリップ
「まさか消去するとは…。あんなかで結構頑張ったんだけど。」
私たちは夜の暗い道を並んで歩く。
この都会では月明かりはかすかだけれど、今の私たちには暗い道は恐怖ではなかった。
少なくとも私には、この月明かりが私たちの未来を照らしているような気さえしたんだ。
「ごめんね…。でも…」
「嘘だよ。
すごい梨華らしい。」
「そうだねー。」
「うんうん!かっこいー!」
「ありがとう…。」
皆、私を信じてくれてた。
勝手に皆から離れて
裏切って
たくさん傷つけたのに
今もなお
私に笑顔を向けてくれる。
こんなに素敵な人たちに出会えたなんて、私は最高の幸せ者だと思う。
本気で運命に感謝してるよ。
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