チューリップ
リュウはすぐに私が指さしたリングを店員さんに頼んだ。


「梨華サイズ何号?」

「7号だよ。」

「7号と12号お願いします。」



リュウは12号なんだ…。


私はまだ全然リュウのこと知らないんだね。


もっともっと知りたい。

これから…誰よりもたくさんのリュウを知りたいよ。




「あっちとかも見てみれば?」

リュウは優しい笑顔で別のコーナーを指さした。

「うん、見てくる!」



精一杯の笑顔でリュウに答えた。





思えば…

私たちが出会ったのはほんの少し前で



しかも先生と生徒で



苦い試練ばかりが

私たちに降りかかってきたね。





でも離れたいと思ったことはなくて



むしろどんな試練も一緒に越えたいと思った。






私の願いはたった一つだよ?





ずっとずっと

リュウと一緒にいたい






それだけでいい




願わずにはいられないんだよ…





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