チューリップ
「なんかいいのあった?」
振り返るとにっこり笑っているリュウがいた。
「うん、でも…」
「でも?」
私が本当に欲しいのは
ネックレスでも、ピアスでもないから…。
「何でもない!
それよりリングは?」
「あぁ、なんか在庫が無くてまた今度取りに来てだって。」
また今度…
またなんて…
もうあるかわからないのに…。
今、証が欲しかったのに。
「どうした?」
「ううん、ありがと!」
なら証は
私の胸にしっかり刻んで置かなくちゃ。