チューリップ




私達は何も言葉を交わすことなく、足を進めた。




リュウがどこに向かおうとしてるのか、私にはわからないけど



それでも不思議と安心してリュウの手を握り続けていた。







この手を


ずっと掴めなかったんだ。



掴んだら、自分が壊れてしまいそうで


あなたを壊してしまいそうで


私は見て見ぬ振りをしてた。





でもあなたはいつでも私を正しい道に導いてくれるの。





今度は掴めたと思ったのにな…



私の手を宙を舞っていた。





ううん、きっと




最初から手を伸ばしていなかっただけなんだ。





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