チューリップ

証は永遠に… ~リュウ~










梨華がいなくなったと伝えられたのは


それから3日後のことだった。






「美山先生は、この学校をお辞めになりました。」




理事長の静かな声で伝えられた事実は
しばらく俺たちを騒がせた。



あちこちで涙が流れ落ちている。




教室に残る涙の跡はまるで梨華が残したもののようにも思えた。




「美山先生が突然お辞めになった理由については…」





理事長の話が急に途絶えて教室がまた騒がしさを取り戻す。



俺も視線をあげ理事長を見ると、涙が頬をつたっていた。






「なに…?なにかあったの?」

「梨華…どうしたの!?昨日も休みだったし…辞めるなんて…。」



菜々子やほかの生徒たちも動揺を隠せなかった。



陽介は及川の方から多少は聞いていたようで
顔色を変えることなく黙っている。









「梨華は

本当は」


「川崎君…!?」






「本当は18歳だったんだ。」








教室は


不気味なほどの静寂に包まれた。
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