チューリップ





真っ昼間の学校を外から見るのは初めてだった。





「こんなに…静かなんだなぁ…。」






学校内はどこにいても、生徒の声や生き生きとした音が聞こえてくる。




高校時代、校内で音を楽しむことなんかできなかった私にとって

それは本当に心地の良いものだった。




こうして、また学校に通えていたなんて




それだけで最高に幸せだったと、今になって痛感する。






この中には


残酷すぎる壁も

冷酷な現実も

汚い社会も


数え切れないほど存在する。




それでも、

それを超越する幸せも溢れてる。






どうか

すべての人が

その幸せを感じられますように






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