チューリップ
「話したよ。」
陽介はまるで当然のような口振りで言った。
あんなありえねぇような過去、あいつが聞いたなんて…
「お前なに考えてんの?
あいつにあのこと話して何になんだよ!?」
陽介は2人分のコップを片づけようとしていた手を止めて、俺を見た。
陽介の真剣な顔は久しぶりに見る気がする。
「俺は、ずっとリュウを見守ってるつもりだった。口出しはしないで、リュウがいつか自分で乗り越えられる日まで。
でもリュウの時々見せる苦しい顔が辛かった。
梨華ちゃんは、今までの奴とは違う。
梨華ちゃんなら、リュウと一緒に乗り越えてくれる。」