チューリップ
それからクラス全員の出席を確認してから、HRが終わった。




今日の授業に梨華が担当している英語はない。
サボろうかなと考えているといつの間にか、俺の机の周りにクラスの奴らが集まっていた。





「リュウ!何があったんだよ!?」


「そうだよリュウ!リュウが教師に従うなんてびっくりだよ!」




こいつらは隼と菜々子。2人は中学も同じで、割と仲がいい。




「うっせぇなぁ。



お前らだってなんか感じてんじゃねぇのか?」





「ま、まぁ梨華はなんか可愛いし、いつもの担任とは全然違うけど…」


「でもリュウがそんなに変わるなんて、何かあったとしか思えない!」





出席確認で返事しただけでこんなに驚かれるなんて、いつもの俺はどんだけ荒れてたんだろう。
なんか反省した。




「なんもねぇって。


ってか授業始まるぞ。席戻れよ。」






2人は不満そうに席に戻って行った。










この日俺は久しぶりにすべての授業を受けた。

もちろん内容は理解できなかったが…。
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