チューリップ
クラスの奴は全員いなくなって、教室には俺と梨華だけが残った。






梨華はあんな過去を聞いて、どう思ったのか。


何が言いたくて俺を残したのか。



全然想像がつかなくて、俺は席に座ったまま梨華を見た。




梨華も教卓のところから動こうとせず、ひたすら俺を見ていた。







まぁ、あの話を聞いて普通に接することなんてできねぇか…。







「残ってくれてありがとう。ごめんね。時間とらせちゃって…。





でもちゃんと謝らなきゃなと思って…」



梨華は申し訳なさそうに話し始めた。



なんで梨華が謝るのかはわかんねぇけど、俺は梨華の話を遮った。




「もうあの話のことはいいから…」
「昨日は叩いちゃってごめんなさい!!!」









(え?)
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