チューリップ
「梨華が私に話なんて珍しいね!
いつもは私ばっかりしゃべってるし。」
茉莉はファミレスのメニューを広げながら言った。隣の席からおいしそうなハンバーグのにおいが漂ってくる。
「うん。ごめんね、疲れてるのに。
話って言うのはね…
私、いじめられてるみたいなんだよね。」
私の突然の告白に茉莉はメニューをめくる手を止めて、視線を私に移した。
「いじめ!!!???」
茉莉はファミレスに響きわたるほどの声で叫んだ。
そう、私は何日か前から嫌がらせを受けているようなのだ。
はじめにおかしいと思ったのは、靴。先生達は先生達用の靴入れに靴をしまう。いつものようにその日もそこに入れて、帰りに靴を履こうと出してみると靴はカッターか何かで引き裂かれていた。
次の日には机に隠し撮りされている写真が机に置いてあり、それから机が荒らされていたなんてこともあった。
でも私には全く思い当たることがなくて、犯人の検討もつかない。
だから今日茉莉に相談することにしたんだ。