チューリップ



「私ね、高校生の時いじめられてたんだ。



いじめられてること、周りの人に言えなくて、担任の先生に相談したんだけど…


先生にさえ見放されちゃって…。




そういうことがあって、私は満足できる高校生活を送れなかったから。
私みたいな生徒をもう出したくなくって教師になろうって思ったんだ。」




私は本当のことをリュウに話した。



重大な秘密を明かすことはできないけど、リュウには聞いてほしかった。





私は高校1年の時、同じクラスだった生徒からいじめを受けた。






あのときは本気で死にたいと思った。




世の中のすべてを恨んだ。






だからリュウの気持ちがよくわかった。




先生や大人になんの期待を持てなくなった絶望感。




あんな闇、もう二度と感じたくない。感じてほしくない。
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