チューリップ
違和感と開かされる真実 〜陽介〜
教室に続く沈黙。
誰も口を開こうとも、行動を起こそうともしなかった。
梨華ちゃんの過去が壮絶だったから
それももちろんある。
でも、俺たちは気づいてしまった。
決して気づきたくなかった、この部屋のに広がる違和感に。
「美山先生…無事であってほしいわ…」
「待って下さい!!
理事長に聞きたいことがあります。」
部屋を出ようとする理事長を止める。
俺は茉莉をゆっくりと話して立ち上がった。
「リュウは美山先生を助けることに必死で、気づいていませんでしたが
おかしいでしょう、理事長がそんなに美山先生のことを知ってるなんて。
俺、実は知ってるんです。
梨華ちゃんが18才だって。」