チューリップ






「菜々子、ごめんな…。




俺がバカで自分しか見てなかったから、お前を傷つけた。」




今にも倒れてしまいそうな赤井さんをリュウはそっと抱き寄せた。





「でもな…


マヂで、梨華は俺の人生を変えてくれた。



今俺がまともに生きてられんのは梨華が来てくれたからなんだ。





菜々子、俺のこと気遣ってくれてありがとな。




でも今の俺は、梨華を傷つける奴は許せねぇから…







もう止めてくれよ…



頼む……」




リュウは赤井さんからそっと離れて、床にひざを付ける。




そして頭を下げる。







リュウは赤井さんに土下座をしたまま



動こうとしなかった。
< 72 / 265 >

この作品をシェア

pagetop