チューリップ
「菜々子、ごめんな…。
俺がバカで自分しか見てなかったから、お前を傷つけた。」
今にも倒れてしまいそうな赤井さんをリュウはそっと抱き寄せた。
「でもな…
マヂで、梨華は俺の人生を変えてくれた。
今俺がまともに生きてられんのは梨華が来てくれたからなんだ。
菜々子、俺のこと気遣ってくれてありがとな。
でも今の俺は、梨華を傷つける奴は許せねぇから…
もう止めてくれよ…
頼む……」
リュウは赤井さんからそっと離れて、床にひざを付ける。
そして頭を下げる。
リュウは赤井さんに土下座をしたまま
動こうとしなかった。