チューリップ
あの後、教室に戻るといたのは茉莉と陽介君だけだった。
茉莉は、教室に入るといきなり涙目で飛びついてきた。ずっと無事か心配してくれていたみたいだった。
本当に嬉しかった。
こんな親友を持てて幸せだなって思えた。
私のせいでまた生徒たちに迷惑をかけてしまったのはちょっとショックだったけど。
犯人が赤井さんだったと2人に告げると、2人はとても驚いていたけど、経過を話せば少し納得しているようだった。
「結局俺かよ…。」
今はまたリュウに送ってもらって家に帰っている。
もう送ってもらう必要はないんだけど、茉莉が陽介君に送ってもらいたいからと、私もついでで。
「何が?」
「お前を苦しめてた原因。また俺の弱さでお前を苦しめた。」
ふとリュウを見ると、ふてくされて下を向いているリュウがいた。
そんなこと
気にしなくていいんだよ。
また私はあなたに救われたんだもん。
また私の心はあたなに助けられた。
ありがとう。リュウ。