チューリップ



「ったく球技大会だっつーのに話長すぎだろ!」


「てか…梨華は何で来ないのよ…。」



朝の練習を終えた俺らは、体育館での開会式に出た。


長ったらしい教師や生徒たちの話を聞き終え、教室に戻る途中肝心の梨華がいないことに気づいた。



まさかまた…なんかもめ事にでも巻き込まれてんのか?




案の定、教室に戻っても梨華はいなかった。





今日は午前が女子のテニスとバレーの試合で、午後に男子のサッカーの試合がある。


もう女子は移動しなければいけない時間になるのにいっこうに梨華は教室に来ない。



「ちょっと探してくる。」


そう言って立ち上がった。


そのとき…

「ごめんなさい!!遅れちゃった!!!!」


髪と服をかなり乱した梨華が前の扉から現れた。
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