チューリップ
梨華は申し訳なさそうに笑うと、思い出したように紙袋をドンと教卓の上に置いた。
「これ、みんなにプレゼント!!!
私にできることはこれくらいしかないから…!」
その中身は
梨華を含めた24人分のリストバンド。
その全部に「6組必勝」と書いてある。
「梨華ちゃんこれ1人で…?」
さすがに陽介も唖然としている。
「うん!!」
梨華は満面の笑みを浮かべ、1人1人に配り始めた。よく見ると、生徒の名前も小さく縫われていて、俺のも「リュウ」と書かれていた。
その後俺らは円陣を組んでテンションが最高の中で、それぞれ試合の準備をした。
このときの俺は、サッカーの試合で勝つことだけしか頭になくて
この後起こる最悪の事態を知る由もなかった。