不機嫌な先輩と私。
「うわあ!」
あちゃー、やっぱりこうなると思った。
自分で落としたプリントに自分で足を滑らせて、教科書は廊下に散乱。
「ハァ…」
こんなところでタイムロスしてたら、三上先輩に会えなくなっちゃう。
大きくため息をついて教科書を拾っていると誰かの影が。
顔を上げると、同じクラスの男子が教科書を拾ってくれていた。
「響!」
「バカだなお前。先生に頼まれても断わんねぇんだもん」
そう毒づきながらも教科書を拾ってくれる響。
「ってか、見てたなら最初から手伝ってよ」
「やだね。そんなめんどくさいことするの」
「最低〜」
そう言うと響は楽しそうに笑った。