ピュア恋、始めました。


「黒木くんって何のサークル入ってるの?」

まずは無難な質問から。


「フットサルやってる」



特別盛り上がりもせず会話していると、



「じゃあ、席替えしよ〜」

幹事が呼びかけてみんな場所移動する。



「白崎みゆりちゃんだっけ?俺は蒼井 逞、香華大の2年生。」


隣に座ってきた見るからに爽やかそうな人が声をかける。

「みゆりちゃんって呼んでいい?」


きゅるる〜ん、と効果音がつきそうなほど、

かわいらしい瞳で見つめてくる。


「はい!!私はなんて呼べばいいですか?」



「逞でいいよ~」

にこっと逞先輩が笑う。



「逞先輩は何サークルなんですか??」


「ん?俺はフットサルだよ」


優しくて話しかけやすいほんわかした雰囲気が漂っている。


「今日ってフットサルサークルの方々の集まりなんですか?」

黒木くんもフットサルって言ってたし、気になってることを訊いてみた。


「まあ、今日来てる奴らほとんどフットサルサークルだよ。さっき俊と話してたけど知り合い?」


「知り合いというか、高校の同級生なんです。現役の時話したことなかったんですけどね。」


斜め向かいに座ってる黒木くんを見る。

キャーキャーと女子から話しかけられてるけれど、あんまり乗り気に見えない。



「ふ~ん、そうなんだ〜〜」


ニコニコと相槌を打つ逞先輩。

黒の短髪が清潔感を出し好青年感が滲み出ている。

キラキラと爽やか笑顔と親しみやすい雰囲気で、まるで民衆と同じ目線に立つ手の届く場所にいる王子様みたいな人だ。



とても話しやすく、お互いの話をして盛り上がり連絡先を交換した。



そこで、また席替えをした。

< 12 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop