ピュア恋、始めました。
駅を出て少し歩いてから私は気がついた。
「あ!!!!パーカー借りっぱなしだ!!」
『どうしよう』という単語で頭の中が埋め尽くされる。
そもそも連絡先知らないし、どうすればいいんだろう。
必死に無い知恵を絞る。
「あ!そうだ!!」
私はケータイを取り出し、ある人へLINEした。
『黒木くんに返しそびれたものを返したいんですが、彼の連絡先を知らないので教えていただけませんか?』
先ほど連絡先を交換した逞先輩だ。
黒木くんの所属しているフットサルサークルの先輩だし、きっと連絡先を教えてくれるはずだ。
しばらくして、返信が来て黒木くんの連絡先が添付されていた。
よかった~これで連絡とれる!!
逞先輩にお礼を伝えて、黒木くんへLINEする。
『逞先輩から連絡先ききました。パーカー返しそびれちゃった…。ごめんね!!』
シンプルな文面を黒木くんに送った。
程なくして、返信が来た。
『俺も白崎と別れた後に気がついた。白崎の空いてる日に受け取りに行く。』
『週明けには予定分かるからまた連絡するね』
そう送るとケータイをカバンにしまった。
よく分からないけれど、また会う約束をしてしまった。