ピュア恋、始めました。
「おはよー」
すれ違う友達に挨拶する。
「あ!やっと来た!ちょっとこっち来なさい」
待ち伏せしていた千紗に捕まった。
腕を掴まれカフェテリアに連行される。
「ねぇ千紗。1限あるから行かなきゃ!」
「今日の1限なくなったよ!教授が休みだってさ」
ってことは、千紗から逃げられない!?
人がまばらのカフェテリア。
向かいの席に座る千紗。
「昨日、一緒に合コン抜けた人誰なの!?」
いきなり核心を突かれる。
「高校の同級生の黒木くん!千紗知らなかったっけ?」
千紗とは1年生の頃同じクラスだった。
黒木くんとは2・3年生同じクラスだった。
千紗と黒木くんは同じクラスになったことはないけれど、サッカー部ということもありそこそこ学年では目立つ存在だ。
名前くらいは聞いたことがあると思っていたけれど、
「は?誰よ、それ。初めて聞いたわ」
「え!?ほんとに知らないの??」
「だって、タイプじゃないも〜ん」
千紗のタイプの男性は、ガタイの良くてこんがりと焼けたワイルド系だから。
タイプの男性以外、眼中にないし興味もないという千紗らしい言い分だ。
「で、2人で抜け出して2人で抜け出してイチャコラしてたってわけね」
ニヤニヤとする千紗。
「そんなんじゃないって!隣に座ってた人に絡まれてるのを見かねて助けてくれただけだよ!!」