あなたのためなら⋯
プロローグ
町外れの広い草原を抜けた先にある大きな屋敷。
屋敷の他にも、草原から最低でも見渡せる範囲の山々を所有している一家がある。
一家と言っても現在この屋敷にいるのは、若い女性と犬3匹、猫2匹のみ。
大きな屋敷にしては使用人の気配もなく、20歳のカルディアと屋敷や敷地内にいる動物達に囲まれて、穏やかに暮らしていた。
数年前・・・
「カルディア・・あなたのその力は、他の誰にも気づかれないようになさい・・・
その力はこの世界にとっては空想・・・物語でしかないの・・・
きっと誰もあなたのことを認めず、蔑むことでしょう。
でもあなたのその力はとても素晴らしいあなたの個性だわ。
矛盾してるようだけど、自信を持って、胸を張って生きなさいね。」
カルディアの祖母 エルメスはそう言い残してまだ幼い孫を置いて永遠の眠りについた。
それからカルディアはエルメスの教えに従い、大きな屋敷に1人で暮らしる・・・。
たった1人・・大自然が広がるこの大きなお屋敷で・・・。
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