題名未定
電車の中に差し込む夕陽を見ながら、俺は友達たちと会話をしている。
学校の帰り、電車の中で友達たちと会話しながら考えることは大体毎日同じ。
今日も同じように、家に帰ってから何をしようかとか、どうでもいいことを考えていた。
考えたって、どうせ家に着いたころには忘れていて、いつもと同じ一日を過ごす。
そんなありきたりな毎日に不満はなかったし、むしろ満足していた。
次は-駅....次は-駅....
電車の中に流れるその声を聞いて、俺は鞄を持ち、立ち上がる。
「じゃあな、また明日」
俺が隣に座っていた慶たちに声をかけると、慶は笑顔で手を振った。
慶は音楽を聴いていたから、たぶん俺が「さよなら」とか言ったと思って手を振っているのだと思う。