題名未定


「今日も疲れたな……」

鞄の中から小説を取り出し、ぱらぱらとめくった。

小説の中の世界はいろんなことが目まぐるしく動いてる。

主人公だって、いつも必死で、世界なんてどんどん変わっていく。

だから面白いんだろうな。

昔はそんな世界にあこがれて、自分がそんな世界の主人公だったらどれだけ楽しいだろうか?

物語を自分が切り開いていけたらどれだけ楽しいだろうか?

世界を変えられたらどれだけ楽しいだろうか?

そんなことばかり考えていた。

だけど、今となってはそんな風には思わない。


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