一つ下のアイツ
ーーー須木と須屋。
小学生の頃から幼なじみである。
人見知りの激しい須木は、小学校の入学式から教室の隅で1人で立っていた。
「ねえ、次給食だよね。ランチルーム一緒にいこう?」
そんな須木に最初に話しかけてきたのは須屋。
それをきっかけに高校二年生の今まで友達である。いや、親友だ。
名簿番号が近く、席はいつも前後で隣だった
いつしか2人は学校でコンビのようになっていた。「すきすやコンビ」はボケとツッコミ、バランスよくて見てて面白いし仲がいい。
そんな話をよく聞いた。
須木は須屋と名前を間違えられることもあったし、お互い気にもしていなかったが、須木は互いを比べられる事だけは嫌だった。
須屋は起きてるぞ!
須屋は出来てたぞ!
須屋を見習いなさい。
もちろん須木は須屋の事は大好きだが、たまに恨めしい気持ちになったのは否定出来ない。
ーーー「もういい。じゃあ須屋、問2の答えは分かるか?」
「はい。先ほどの解の公式を当てはめ……」
こんな時。ちょっとだけ思ってしまうのだ。
(そりゃまあ。寝てた私が悪いんだけどさ…)