Be Girl-翼のゆくえ-
学校に着くと、リンが真っ先に私のところに来た。

「昨日どうだった?」

リンは、口ではハルカの事を嫌っているように言っていたが、本心はハルカの事を気に掛けている様子だ。

「それで話があるんだけど…セイヤ君がナナミとリンも一緒にって…」

そう言うとリンの表情は少し曇った。

「…ナナミにはこの話、しない方がイイよ」

私もリンと同じ事を考えていた。


ナナミは、あの一件で親友だと思っていたハルカに裏切られた。

二人の付き合いは私達以上に長く、深いものである事を私は理解していた。

ならば、私達以上にキズが深いというのは当然の話である。

そんなナナミに、私達がハルカの話をしてもいいのだろうか。

けれどもこのままハルカを放っておく事はできない。

ハルカを救い出せる方法が、その可能性が、あるのなら私はどんな事でもするべきだと思った。

このままにしておく事が、最悪の結果を招くのではないのか。
< 103 / 119 >

この作品をシェア

pagetop