Be Girl-翼のゆくえ-
「ミサキ!聞いてるの?どれだけ心配したと思っているの」

母は少し声を荒げた。
けれど今の私は動じない。
覚悟していた事だったから。

そのまま自分の部屋に戻ろうと母に背を向けた私の腕を、母はグッと掴んだ。

パシッ!

頬に痛みが走る。
母の目は少し赤く、涙の粒が今にも零れそうになっていた。

「どうして心配させるような事をするの!」

……ごめん、お母さん……
今の私は……もう……

「どうして黙ってるの!何とか言いなさい!」

何も言う事なんてない……
知らないおじさんからアナタに貰った体を使ってお金を貰った。
ただそれだけ。

……ごめんなさい……

「…私は…ただミサキが心配で…それだけなのに…」

母はその場で泣き崩れた。


昔の私は違った。
楽しい時も辛い時も、いつも真っ先に母に話をした。
ホメてくれたり励ましてくれたり、母の言葉はいつも温かかった。

でも今は……
母の姿を見ても、涙の一滴も出ない。
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