Be Girl-翼のゆくえ-
小さく頷くリン。


全てを悟った私は

腕を振り上げた。


パシッ!

乾いた音が部屋に響き渡る。


一瞬の静寂の後…

私達は互いに顔を見合わせ


笑った。


この日から、私の生活は激変していった。

まだ上手く話の輪に入ることはできないけれど、私は常に笑顔を絶やすことのない毎日を送っていた。

学校が終われば4人で街に出て、ハルカ達が所属しているサークルにも顔を出すようになった。

その中で多くの人との出会いもあった。

邪魔するものも、気になることも何も無い。
ただ私は、私の好きな事を、私の好きな人たちと思う存分楽しむことができる。

まるでこれまでの日々がウソのように。

大袈裟かもしれないけれど、カゴの中から飛び出し、大空を自由に飛んでいる、私はそんな感覚で毎日を過ごしていたと記憶している。

しかしながら、自由の象徴である空の広さを知ったとき、私はまた足を止めてしまう……
< 35 / 119 >

この作品をシェア

pagetop