幸せになろう
「……喋れる」
「じゃあ思ってることなんでも言って」
さっきまで怒っていた颯斗はもうそこにはいなかった。
いつも通りの優しくて私に甘い颯斗だ
優しく問いかけられて、私はまた黙り込んでしまう
「なんのためにこのお口はついてるのかな」
優しく親指で私の唇をなぞる
「ごめん…」
「違う」
「え…」
「聞きたいのはそんな言葉じゃない」
今の私にはごめん以外の言葉しか思いつかない
「じゃあ聞くけど、そのごめんはなんのごめんなの?俺のこと何もわかってなくてごめん?言いたいこと言えなくてごめん?困らせてごめん?なんのごめん?」