全部あなたがはじめて
私はびっくりした。
そして声がした。
「みえたー?」
どうやら優奈ちゃん達のようだ。
心配になって、家の裏まで回って窓から私の事を見に来たみたいだ。
でも私はもう見られたくなくて
話したくなかった。
とっさにトイレを出て今度はとなりにあった
お風呂場に逃げ込んだ。
それに気づいたのか、お風呂場の窓も開け始めた
優奈ちゃん達。
必死に見つからないように窓からは見えない死角でうずくまっていた。
どんなに声をかけても出てこない私に
優奈ちゃん達は呆れたように部屋に戻っていった。
静かになって部屋から出てこないのを確認した私は
リビングに敷いてあった布団に入り込んで、
少し眠った。