▼ Chocolate kiss .。
「 紵恋、折角可愛い顔してるのに勿体無いよ。そこは怒るより笑顔でしょ〜?」
そう言って、玲斗は額を重ねて来た。
間近に迫る端正な顔立ちに鼓動が跳ね上がる。
伏せていた長い睫毛が持ち上げられ、大きな瞳を覗かせた。
自分よりも背丈のある玲斗を見上げると、嫌でも上目遣いになってしまう。
…いや、なんでうちがコイツにドキドキとかしなきゃいけないの!?
「 いっ!いいい、いいから離せ!」
グイッ
玲斗の身体を全力で押し返した。
そして、首を傾げて微笑んだ玲斗が撒き散らされた本を一冊一冊丁寧に拾い集めていく。