平凡×優男=X
「あと、俺に対して凄い無防備なとこかな。お前ほかの人と話す時大体気を張ってるだろ。」
「何でそんなこと分かるんだよ。」
「見てたから。」
「は?」
「中学の時からそばにいたからだよ。」
「いや、まぁ確かに物理的にはそうだけど。」
「お前と仲良くなってくうちに危なっかしいお前を守ってやりたいと思う様になっててさ。お前、調理実習の時もナイフの持ち方間違ってたし。」
「今はちゃんとできるもん。」
「そうやって、照れたらすぐ反論してくるところも可愛い。」
「そんなに可愛いとか言われても困る。だって、由美の方が可愛いし。」
そうだ。
どう考えても由美の方が圧倒的に可愛いのだ。
こいつは何か理性がおかしくなってるだけだ。
「あのさ、お前小林と比較しすぎなんじゃねーの?ってか、俺がお前のこと好きだって言ってんだから...信じられない?」
「いや、急すぎて...ちょっとうん。」
寂しそうな顔であいつは言う。
「そんなに信頼なかったのか。」
「それは違う!」
そんな顔されたら否定せざるを得ないだろ...
「いや、だからだな。あの〜あれだ。」
私を真っ直ぐに見つめて来るヤツの目が見ずに言う。
「だから」
「だから...私がお前のこと好きで。なんだその...両思いなんて信じられないから。」
終わった。
目が点になる葉月。
てか、なんで私がバスの車内で告白しなきゃいけないんだよ!
だめだ、また熱上がってきた。