平凡×優男=X

「なんだよ、それ」


そして耐えきれないと言うふうにくくっと笑い出した。


「お前ってやっぱ可愛いよ。」


葉月...お前ってやつは...
睨んだ矢先、また唇を捕られた。


「ずっとこうしたかった。なんかでも勇気出なくてさ。」


でも、と葉月は続ける。


「さっきもちょっと行ったけど傷の手当とか、先輩がたくさんいる前でやるって言ってくれてすげえ嬉しくてさ。」

「そんなの...当たり前じゃん。」


いつかのあいつと同じセリフだ。
あー、またくらくらする。


「顔そむけんな。ほら」


顔に手をそっと添えてきやがる。
凄く恥ずかしいのに、振り払えない。
私はこいつには勝てないようだ...


「口では強がってても、体は素直なんだね。」


月の光に照らされて艶っぽく見えた。
...いつものあいつじゃない。
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