平凡×優男=X

「で、まだ奏人って呼んでもらってないんだけど?」


ぎくっ


「俺のこと好きなんでしょ?
だったら言って。
“奏人が好きだ”って」


あと1個であいつが降りるバス停だ。
それまで何とか。
私は唇をきつく結んだ。


「かなくなに言おうとしないのはなんでなのかな…」


恥ずかしいからにきまってんだろ。ちょっとくらい頭働かせろよ。


「ふうん。そっか照れてるんだ。」

「え」

「声に出てたよ」

「マジか…」

「照れてるのも可愛いけど、あとちょっとで着いちゃうし強引にでも言わせるから。」


なにそのドSな笑みは。
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