イケメン女子になりたいッ!
「馬鹿!!本当あんた馬鹿じゃないの!!」
朝のホームルームが終わった後の騒がしい教室で、何故か私は玩子に怒られている。
いつも思うんだけど、なんで私は麻奈葉と正反対な玩子と仲良く出来てるんだろ。
あの後―――
『私、成海くんみたいなイケメンに……『イケメン女子』になりたいんだ!どうやったらなれるか、教えてください!』
私の必死なお願いに、成海くんは
『……分かった。なんかよく分かんないけど、俺の言ってる事ややってる事教えれば良いんだろ?それだけなら構わないよ。また後でね』
と、快く了承してくれた。
お互い嫌な思いしてないじゃん。なのに何で玩子は怒るのさ?
「単純に、なんかずるいのよ!」
あぁ、そういう事。
「分かんなかった?あの後ファンクラブの子達が嫉妬の眼差しで見てたよ」
「なんで?」
「だーかーらー!あの成海にあそこまで近づけるなんて、ほぼ奇跡よ?!」
「だから、それがなんでなの?近づきたいなら話しかければ良いし、一緒に出かけたりしたいならそう言えば良いじゃん」