イケメン女子になりたいッ!
美男子だからって気を使う必要、無くない?
彼は某国の王子でもなければ、(スカウトされた事あるらしいけど)芸能人でもない。
普通に普通の学校に通う男子高校生なんだから。
「現に私は、ちゃんと言ったら弟子にしてもらえたし!」
「……」
玩子はもう諦めたのか、何も言わない。
えっへん、と満足気な私に溜息を吐いたと同時に、教室の扉が開く。
「ねぇ、野々市 真鳥って子、いる?」
途端に、周りが女子の黄色い歓声に包まれる。
さっきまで話題に出てたイケメン男子が来たのだ。
呼ばれた私は小走りで向かう。
「はーい、野々市 真鳥です!朝一回自己紹介しただけなのによく名前覚えてましたね!何の用ですか、師匠!」
師匠は困り顔で、こっそり私の耳元で囁いた。
「その呼び方やめて……放課後すぐ『姫鏡(ききょう)』ってカフェに来てくれる?」
「了解っ!」
おお!早速ご指導頂けるのか!有り難い!