イケメン女子になりたいッ!
ターゲット発見!!
昇降口前で女子生徒数人に囲まれてる成海くんを見つけた。
やっぱイケメンさんだな〜。
自然な茶髪は程よい長さだし、制服の気崩しもイイ感じに緩い。
背が高くて脚も長いし、何ていうか、全身が黄金比で出来てるって感じ!
流石に私でも分かるくらいだ。
中学時代陸上部で鍛えていた脚力を活かし、私はダッシュする。
「ちょ、ちょっと、真鳥?!」
玩子が止めようとしたけど、生憎私のモットーは『思い立ったが吉日』と、『善は急げ』。
次にいつチャンスが来るか分かんないんだから、今しか無いじゃん!
人の隙間を縫う様に進み、目的地に突っ込んで行く。
「はいちょっと失礼しますよー!」
「きゃ?!」
「は、え、ちょ、何?!」
「ちょっとー、ずるい!」
女子が非難の目で見るけど、気にしない気にしない。
こっちは急いでるんだから。
と、私はやっとターゲットである成海 透音くんの真ん前に到着した。
達成感でドヤ顔気味になってる私を、背の高い成海くんは困り顔で見下ろしてる。