こいつ、俺の嫁。
「…えっと、なになに……『白羽根の貴公子こと関ヶ峰(セキガミネ)高校一年の三輪田 晶(ミワタ アキラ)さんは』……え!この人あたしと同じ一年生!?テツと同じ二年生かと思ったー!」
「ちょいちょい、澪ちゃん。
読むのそいつじゃねーだろ」
わざとらしいあたしのボケに、テツはしっかりとつっこんでくれた。
そのつっこみを聞いて、あたしは雑誌を閉じてテツに返した。
「あり?澪ちゃん読んでくれないの?」
首を傾げてあたしの顔を覗いてくるテツは、構ってくれなくて寂しがる犬みたいにしょんぼりとしてる。
そんなの読まなくたって分かるんだから。
「…そんなの読まなくったって……テツのかっこよさはあたしが一番よく知ってるし……」
「…っ!そんな可愛いこと言うなよ。
襲われてーの?」
「わ!ちょ、人前で抱きつかないでよ…!」
市中大会で見事優勝したテツ達は県大会に出場。
県大会で優勝すればインターハイの出場権を得られることになっているけど、結果は残念ながら三位。
でもテツはこれといって落ち込んでる様子も、自分にプレッシャーを感じてることもなくて安心した。
木嶋先輩達はこれで引退かと思ったら、春高までやるらしくまだ引退はしてない。
それもあったから、テツはきっといつも通りにいられるんだと思う。