こいつ、俺の嫁。
新年早々寝癖のひどい髪を見て笑ってしまった。
「テツは何をお願いしたの?」
あと寝癖ひどいよ。
そう言いながらテツの髪を手でとかしてやる。
テツは自分の頭上にあるあたしの手を目で追っては、ニヤリと笑ってあたしを見た。
「『澪をいつか本物の嫁にしてやる』って願った」
「してやるってそれ願いじゃなくて、決意でしょ!
てか神様になにお願いしてんの!?」
「あ?いいだろ。
澪だってどうせ『ずっとテツの隣にいられますように』って願ったろ?」
「……っ」
テツに痛いところを突かれて何も言えなくなる。
あれ?図星?当たりかな?澪ちゃーん?
テツがしつこいくらいにあたしの顔を覗き込んでは、お得意のニヤリ顔をこれでもかというくらいに見せつけてくる。
あぁ、新年早々だけど冬眠したい。
なんて思ってるとテツの頭がいい音をたてて叩かれた。
「鉄也!願い事がおかしい!
そこは春高優勝でしょうが!」
テツの頭を叩いたのは麗さん。
そんな麗さんの隣で木嶋先輩が腕を組んで何回も頷いていた。