こいつ、俺の嫁。




そこには真新しい制服に身を包み、ココア色の髪を内巻きにしたいかにも女子という感じの女の子がいた。




「バレー部のマネージャー…やりたいんですけど……」




この言葉を聞いた瞬間に、成宮先輩の目つきが変わった。




「ウェルカム!あ、この入部届けに名前書いてくれる!?
あ、ちなみに俺は3年の成宮!よろしくー!」




あたしを勧誘した時と全然態度違うんですけど?




まぁ、これで変な勧誘されなくて済むか。




というかこの子、どこかで見たことあるような気がする……
どこだったっけな……




そう思っていると、その子は成宮先輩の猛アピールを無視して真っ直ぐにテツのところに駆け寄った。




「あの!黒岡センパイですよね!?
私、ずっと黒岡センパイに憧れてバレーやって来たんです!
お会いできて光栄です……!」


「あ?あぁ、どうもー」




その子はさりげなくテツの手を握った。
ただの握手だと分かっていても、胸が痛む。




自分が無意識に手を握ってることに気付いたのか、彼女は慌てて手を離した。




「あ、ごめんなさい!つい嬉しくて……
あの、私一年の林部桃子って言います!」




林部さんは慌てて二回ほどお辞儀した。
すると今まで後ろの方で見ていた新キャプテンの兼田先輩が前に出てきた。




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