こいつ、俺の嫁。
そしてこうして電話やメールをする不思議な関係が続いてる。
テツとはあれから話してもないし、一緒に登下校することもなくなった。
廊下ですれ違っても目すら合わせない日々。
寂しいし悲しいけど、三輪田くんの電話やメールがその気持ちを埋めてくれてる。
呼び鈴を鳴らすと店員が笑顔でやって来た。
「ご注文はお決まりですか?」
「えっと私はこの魚介のパスタのサラダセットとティラミスケーキにします!」
「じゃあ、ミートグラタンとガトーショコラ。
ドリンクバーは3つでいいよね。澪は?」
「あたしは……とりあえずドリンクバーだけでいいや」
店員が笑顔で去っていくのとは逆に未来の表情は鋭くなった。
「澪、あんたちゃんと食べてんの?」
「澪センパイここ1ヶ月でかなり痩せてませんか?」
「あー、なんか最近食欲なくてさ!夏バテかな!…なんてね」
無理に笑っても二人は一緒になって笑ってはくれなかった。
それどころか表情がどんどん険しくなっていく。
そんな表情見たらあたしまで辛くなっちゃうよ。
冗談でもいいから笑ってほしい。
そしたら気が紛れるから。