溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
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新たに取材協力をするようになった出版社の取材が始まった。だけど、フラッグ出版のように互いに贔屓にしていた関係がないからか、以前のような融通は利かない。
社のためには、フラッグ出版の取材が強力な宣伝の1つだった。
どうして断るようになったのか、その真意は特に説明がないままで、広報としても釈然としない。
「失礼します」
取材が終わって、ひと段落ついたころを狙って、葛城社長に声をかけた。
「今日はありがとう。やりにくいだろうけど、何度か回数を重ねればいい方に変わっていくはずだから」
「畏まりました。ただ、やっぱりフラッグ出版の取材を外さなくともよかったのではないかと思います。これから新商品のプレスリリースもありますから」
広報としてのやりやすさと、確実に反響が見込める企画を考えなければいけない。商品部と連携するなかでも、やっぱりフラッグ出版の広告は力があるし、露出の仕方が上手いのだ。