溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
桃園さんが来社して2日後、葛城社長とブルーメゾンを記事にした週刊誌が一方的に発売された。
ブルーメゾン・葛城亜緒の女性遍歴、隠し子発覚、社内の女性を次々と手玉に……。見るに堪えないそれらにとどまらず、社の収益に不明瞭な点があるというのだ。
店頭や中吊りの見出しのせいで、朝から広報や関係各所の電話が鳴りやまない。
「おはようございます。今朝の件ですが」
「おはよう。悪いけど、上手く対応してもらっていいですか。相変わらず内容はすべて嘘にまみれていますので」
「かしこまりました」
広報として、出社してきた社長を捕まえ、指示を仰いだ。
社長が何か悪いことをしたわけじゃないのに、どうしてこうも叩かれるのかと不思議で仕方ない。人気者だからこその悩みというものだろうか。