溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
やめていただけないでしょうか
先日から、私のデスク回りがやたら輝きを放っている。
ノートPCの向こうで、凛とたたずむスワロフスキー製の鳥さんが、じっと私を凝視しているのだ。
置物だから鳴きも動きもしないけれど、躍動感の無い鳥がひたすらゴージャス感を売りに存在感を放っている。
“白埜さんのデスクの置物に、半端ないこだわりを感じる”と妙な評判をもらうようになったのも、ここ数日のことだ。
持って帰ればいいのだけれど、途中で割ってしまう心配もあるし、それにここまで来ると後に引けなくなってしまった。
まったく、エラいお土産を買ってきたものだ。
4人いる秘書全員が、鳥を苦手としているのが本当かどうかは定かではない。
こんなド派手な置物をもらっても困るから、口裏を合わせた可能性だってある。
自宅に飾るとか、社長室に置けばいいのに。
心でぼやくと同時に、ふと思い出されるその日。
桃園社長の会社が取材に来た時、色違いの鳥が社長室に飾られていたのを思い出した。