溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
バージンロードの向こうで
誰にも相談できないまま、あっという間に週末はやってきた。
15時過ぎに迎えに行くから、部屋で待っていてと言われて、携帯を手に今か今かと連絡を待つ。
何度も鏡を見て、バッグの中を確認して忘れ物をチェックする。
淡いピンクのシフォンスカートは通勤服には選ばないのに、女性らしさを意識し過ぎていないかと気になってしまう。
だけど、いつもと違うと気づかれたくないような、気づいてほしいような……。
「可愛いって、思ってくれるかな」
ご褒美に買った靴を玄関に出していると、着信に合わせて携帯が手のひらで震えた。
マンションの入口に近づくと、自動ドア越しに彼の愛車が見えた。
先に降りて待っている彼を見つけて、一気に鼓動が速くなる。