溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
【ご愛読御礼SS】罰として、ここからは
毎朝起きると、社長から『おはよう』のメッセージが届いている。
仕事ができる男の朝は早いと、何かの雑誌で読んだ記憶があるけれど、身近にそれを実践している人がいると、その記事の信ぴょう性が濃くなった。
「千夏、昨日の会議、資料足りてなかったわよ」
「えっ!?すみません!」
頼まれていた会議資料を必要なだけプリントして、クリアファイルに入れて渡したはずだったのに……。
先輩女子が冷たい視線で私の横顔を見下ろしている。
「らしくないよね、ここのところ」
「そうですか?」
「仕事はノーミス、誰に対してもフラットな対応をするのがアンタのいいところだったのに」
「すみません。次は気をつけます」
頼むわよ、と言い残して、彼女は広報部を出て行った。
久々に怒られてしまった。
しかもこんな凡ミスは、社会人になって初めてだ。