溺甘プレジデント~一途な社長の強引プロポーズ~
「千夏ちゃん、無理にもらってくれてたなら、返してくれてもいいんですよ?」
どうしてそれを今になっていうのだろう。
デスクから消えたら、桃園社長に突き返したと思われかねないのに。
「鳥さんは、綺麗だと思っているので……無理にいただいたつもりはありません」
「鳥さんって呼んでくれてるんだね、千夏ちゃん」
「っ……!!」
ふっと表情を笑みに崩されて、思わずドキッとした表情を見せてしまった。
「そうか……千夏ちゃんは、桃園社長からもらったことにしたくて、デートの時に相談したんですね?」
「……こういう流れになるとは思っていませんでしたが」
「なに?今日はいつになく歯切れが悪いですよ」
うぅ……。心で唸っても彼に伝わるわけがない。
ポーカーフェイスVS塩対応の構図は、そう簡単に崩れないのだから。