夫婦ルール

冬月さんの就職先は


 それから一週間ほどたった頃

 「渉さん少しいいですか?」

 「なんでしょう?詩音さん」

 「ふふふ」

 「どうしました?」

 「いえ、まだなれなくて照れますね」

 「そうですね」

 上の名字ではなく下の名前ただそれだけなのだがまだなんというかくすぐったい

 「えっと今時間ありますか?」

 「大丈夫ですよ」

 「ちょっと面接の練習相手になって欲しいのですが」

 「もちろん僕でよければ」

 「ありがとうございます」

 冬月さんは同じ職場に長く居ることがないらしい慣れようとしているみたいだが難しいらしい

 「前の職場はなぜやめてしまったんですか?」

 「なんというかわたしは子供の頃からそうなんですがいじめの対象になりやすいんです」

 「大人になっても?」

 「特にあたしが何かしたわけでもないんですが仕事を押し付けて帰られたりミスを擦り付けられたりとか」

 「酷い話だ」

 「どこかでこれが普通なんだと諦めてました」

 「そうだ!詩音さん市役所で働きませんか?」

 「え!でも普通は無理なんじゃ大学とか出てないですし頭もよくないですし」

 「大丈夫ですよ、ちょうど僕の部署で欠員が出てまして募集しているはずです」

 「受けたいです!渉さんと同じ職場」

 「受けましょう!」

 
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